医療・福祉の
「現場の今」
がわかるコラム
TITLE
介護福祉士の活躍の場は?将来性はどうなの?
介護福祉士が活躍する職場はどのようなところか。また将来性についても目指している方にとって気になるポイントかと思います。
最近では多くの職業がAIに取って代わられる可能性が指摘されており、せっかくお金や時間をかけて資格を取得したとしても、数年間でAIやロボットに仕事を奪われてしまっては元も子もありません。そこで今回は介護福祉士がどのような場所で働くのか、また将来性はあるのかについてご紹介していきます。
介護福祉士の活躍の場、働く場所とは?
①介護老人保健施設
介護老人保健施設は医療法人や社会福祉法人などの団体が運営をしている介護保険施設のことです。ここでは、病気が良くなり、病院から退院することができた高齢者たちに対して、それぞれの自宅で生活が送れるように、リハビリを行ったり医療ケアを行ったりする施設のことです。
施設には、常に医者・看護師・理学療法士・作業療法士もいますので、ケアが行き届き、安心して看護や介護を受けることができます。色々な国家資格を持った専門職が連携していくことで、自分の知識や経験も広がります。
②特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、基本的に自治体や社会福祉法人が運営している施設です。ここでは、自宅での生活が難しい要介護3以上の方々が入居しています。移動や入浴、排泄の介助で身体的な介護を行う場合が多いです。
また、特別養護老人ホームの中には自宅で暮らしている高齢者に対してデイサービスやショートステイを行っている場合もあります。この辺りも就職する前に確認しておくといいでしょう。
③介護付有料老人ホーム
介護付有料老人ホームは主に民間の企業が介護を提供する有料の老人ホームです。施設によって要介護の方だけでなく、要支援の方も入居できるなど違いがあり、入居条件やサービスなども異なるのでそれぞれの施設の特徴が出る施設です。
リハビリや食事、レクリエーションを充実させるなどオリジナリティのあるサービスを提供する施設が多く、それぞれ差別化が図られているので自分に合ったところを選ぶことができるというのも特徴です。ここでは、身体介助や生活援助といったものはもちろんのことですが、施設の方針によって異なるので自分に合った就職先を選びましょう。
④訪問介護事業所
訪問介護事業所は主に訪問介護員、つまりホームヘルパーと呼ばれる方が利用者の自宅を訪問して、身体介助や生活援助、通院等乗降介助などを行います。利用者が要支援1・2の場合は、介護予防訪問介護となりますが要介護1〜5の場合は指定訪問介護となります。
入浴や排泄の介助はもちろんのこと調理や掃除、外出介助など日常生活全般を支える業務となっており非常にニーズが高まっている仕事でもあります。介護福祉士の資格を持っていれば、利用者や家族に介護のアドバイスをしたり、相談を受けることも可能なので、資格取得は長く働く上で大切だと言えるでしょう。
⑤デイサービス
デイサービスも介護福祉士が活躍できる場所です。自宅で生活する介護認定を受けた利用者の方に食事や入浴リハビリ、レクリエーションなどを日帰りで提供する施設となっており、自宅での生活を続けるためにリハビリを行ったり心身機能の維持を図る運動も一緒に行なったりします。
特に孤立しがちな高齢者を対象としているので、介護福祉士にはよりきめ細やかなコミュニケーションが求められる仕事でもあります。
⑥グループホーム
グループホームも介護福祉士が活躍できる場所です。要支援2~の認定を受けた認知症の方が、9人までの少人数のユニットで共同生活する介護施設となっており認知症の進行を遅らせるのはもちろんのこと、自宅に近い雰囲気の中で可能な限り自立した生活を続けることができる施設となっています。
スタッフの支援を受けるのは副次的な要素であり、基本的には入居者の方が主体となって食事の支度や掃除などの家事を行うのが特徴となっています。可能な限り利用者の方に自立を促し、介護士は必要な場合にのみ支援を行うことが求められます。
⑦障がい者支援施設
障がい者支援施設も介護福祉士が求められる場所です。知的障害や発達障害、他にも病気や事故による障害のある方などが入所しているので、身体介護や生活援助の他にレクリエーション活動などを行います。対象者は障害者程度区分が4以上もしくは50歳以上であれば区分3以上の方となります。また理学療法士や言語聴覚士などの専門の職員と連携して、リハビリのサポート、自立支援のための就労支援を行ったりすることもあります。
⑧病院
介護福祉士は病院で働くこともできます。様々な年代の方や、障がいを抱えた方が入院する病院ではすべての方が介護を必要としているわけではありませんが、食事や着替えといった身の回りのお世話全般において必要とされる場所でもあります。
特に療養型の病院では寝たきりの患者の方も多いので、身体介助の占める割合が高くなることもあり、介護福祉士はさまざまな場面で活躍することができるでしょう。
介護福祉士の将来性は?
ここからは介護福祉士の将来性について見ていきます。結論から言うと、将来性は非常に高い職業であると言えるでしょう。
確かに身体介助などはロボットを自由自在に扱うことができるような時代が来れば、ロボットが代わりにできる業務かもしれません。しかし、介護福祉士は利用者一人ひとりの心に寄り添い、若い頃と比べて動きにくくなった体に落ち込んでいる方や事故などで体に障がいを負ってしまった方の心に寄り添うことも大切な仕事です。
ロボットでは利用者の心を読み取り、心に寄り添うように人の温かみを与えることはなかなか難しいでしょう。これはどれだけ技術が発達したとしても人とロボットの差として、中々、埋めることができない事だと言えます。
よって、介護福祉士の将来性は非常に高いです。
高齢者の人口も増加していく中、需要がなくなる確率は非常に低いと考えられます。少なくともこの記事を読んでいる方が定年を迎えるまでは、仕事が無くなる恐れはほとんどないと言っても過言ではないでしょう。
まとめ
本記事では介護福祉士がどのような場所で働くことができるのか、どのような役割が求められるかについて考えていくとともに将来性についても見てきました。介護福祉士は、非常に需要が高く将来性も高い仕事なので、介護福祉士になりたい方は是非、京都医療福祉専門学校で、利用者の心に寄り添える介護福祉士を目指しましょう。
RELATED ARTICLE

介護福祉士の仕事のやりがいや魅力について
高齢者を支える仕事
将来何がやりたいかわからないけれど、安定性した仕事がいい。 どんな仕事があるかわからないけれど、人の役に立つ仕事がしたい、など今後の将来を考えた時に、今後需要が高まる仕事の一つに「介護」があります。 超高齢社会からもわかる介護の重要性 日本は団塊の世代が75歳を迎える2025年には、 日本の総人口1億2,254万人のうち、 65歳以上の高齢者は3,677万人 75歳以上の高齢者の人口が2,180万

介護福祉士になるには~取得までの道のり~
高齢者を支える仕事
介護福祉士を語る上で避けて通れないのが社会の高齢化です。 日本の高齢化率(総人口における65歳以上の人口の割合)は現在、約29%で、近い将来30%に達し、さらに40年後には約40%になると見込まれています。 そのため介護福祉士は現在でも需要のある仕事ですが今後さらにその需要は増していき超高齢社会を支える中心的な役割を担う仕事として期待されています。 介護福祉士は、介護に係る一定の知識や技能を習得し

介護福祉士になるには!介護福祉士の仕事内容や職場、合格率、必要実務年数紹介
高齢者を支える仕事
「介護福祉士」(別称「ケアワーカー」)とは、介護という言葉が付いているように、「介護を必要とする高齢者や障害者の方、またそのご家族の心身の介護・ケアを行う専門職」のこと。 一般的に認知度が高い類似呼称として「ヘルパー」がありますが、「介護福祉士」を名乗るには国家資格が必要であり、資格の有無にかかわらないヘルパーとは異なります。 1987年に制定された「社会福祉士及び介護福祉士法」によって生まれた介